月別アーカイブ: 2026年5月

「運動神経」は遺伝で決まるのか?親が知っておきたい「後伸び」の法則

「私は運動が苦手だったから、この子も……」

そんな風に、子どもの運動能力を遺伝のせいにして諦めてはいませんか?

確かに、筋力や骨格、瞬発力の一部には遺伝の要素も関係します。しかし、幼少期から小学生にかけての時期においては、「運動神経」の良し悪しを左右するのは遺伝よりも圧倒的に「環境と経験」です。

今回は、子どもの才能を最大限に引き出すための鍵となる「ゴールデンエイジ」の過ごし方について解説します。

1. 「脳の配線」が決まるゴールデンエイジ

人間の神経系は、5歳頃までに成人の約80%、12歳頃にはほぼ100%まで発達します(スキャモンの発育曲線)。この時期は、脳が運動のコツを吸収する「スポンジ」のような状態です。

この時期に多様な動きを経験することで、脳内に
「こう動けば、体はこう反応する」
という複雑なネットワーク(配線)が作られます。一度作られたこの配線は、大人になっても消えることはありません。
つまり、運動神経が良いとされる人は、遺伝というよりは、この時期に「脳の配線」をどれだけ多様に、かつ緻密に張り巡らせたかという経験の差なのです。

2. 遺伝を凌駕する「多種目」の刺激

特定のスポーツだけを繰り返すと、脳の配線は一部の回路だけが太くなり、他の回路は未発達のまま終わってしまいます。
一方、マルチスポーツを通じて、走る、投げる、跳ぶ、バランスを取るといった「36の基本動作」をバランスよく経験するとどうなるでしょうか。

神経科学の研究では、新しい環境や不慣れな動作に挑戦することが「脳の可塑性(変化する能力)」を最も高めることが示されています。特定の競技に特化するよりも、多様な刺激を与える方が、運動を制御する小脳や大脳基底核が高度に発達し、結果として「初めて見る動きでもすぐに真似できる」という、いわゆる運動センスの塊のような状態を作り出すことができます。

3. 「好き」が才能を追い越す瞬間

遺伝の影響が強く出始めるのは、実は体が大きく成長する思春期以降です。
しかし、それまでのゴールデンエイジに「自分は運動が得意だ」「体を動かすのは楽しい」という自信と基礎能力を培っておけば、遺伝的な差を努力や工夫で十分にカバーできるようになります。

逆に、幼少期に「自分は下手だ」と思い込んでしまうことこそが、才能を枯らす最大の要因です。
マルチスポーツは、複数の種目に触れることで「これなら得意!」というきっかけを見つけやすく、自己肯定感を育むのに最適な環境です。

結論:親がプレゼントできるのは「経験」という環境

「運動神経」という才能の種は、すべての子どもが持っています。その種を芽吹かせるかどうかは、遺伝ではなく、ゴールデンエイジにどれだけ豊かな「遊び(運動体験)」をさせてあげられたかで決まります。

当教室では、特定種目に特化した教育ではなく、一生モノの運動神経を育てるための「脳と体の土台作り」を大切にしています。今、多様なスポーツに触れる経験こそが、将来のお子様にとって、遺伝をも超える最高の贈り物になるはずです。

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忍者ナインでは「9つの動作」をベースにレッスンをしております。
小学生は応用的動作として「6つの種目」のレッスンを実施しております。
運動の基礎を習得するので、運動が苦手な子も安心!
見学や体験も行っておりますので、興味を持った方はぜひご連絡ください!

松本市
・芳川体育館(月)
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「待機児童」ならぬ「待機運動」を防ぐ ―― 子どもの才能を眠らせない「マルチスポーツ」の意義

現代の子どもたちを取り巻くスポーツ環境において、深刻な問題となっているのが「待機運動」です。
これは保育園に入れない「待機児童」になぞらえた言葉ですが、スポーツの現場においては「チームに所属しているものの、試合に出られない」「練習メニューの順番待ちが長く、実際に動いている時間が短い」といった状態を指します。

なぜ、幼少期にこの「待機運動」を防ぐ必要があるのか。
マルチスポーツがその解決策となる理由を、科学的な根拠とともに解説します。

1. 「至適強度」と運動時間の確保

運動能力の向上には、心拍数が一定以上に上がる「適切な負荷(至適強度)」がかかる時間をどれだけ確保できるかが鍵となります。

【根拠】 スポーツ医学の研究(MVPA:中高強度身体活動の研究)によれば、子どもの心身の発達において、1日合計60分以上の「息が弾む程度の運動」が推奨されています。しかし、伝統的な種目特化型の少年団などでは、指導者の話を聞く時間や列に並ぶ時間が長く、実際のMVPA(活発な活動時間)は練習全体の30%〜40%程度に留まるというデータもあります。

マルチスポーツを導入する教室では、特定の競技ルールに縛られすぎず、常に全員が何らかの動きを続けるプログラム(スモールサイドゲームなど)を優先します。これにより、限られた時間内で最大の運動量を確保し、身体の発達を促します。

2. 「相対的年齢効果」による選別の回避

早期に一つの種目に絞ると、どうしても「今、体が大きい子」「今、足が速い子」が試合に起用されやすくなります。これが「相対的年齢効果」です。

【根拠】 多くの研究で、少年スポーツの選抜選手は「4月〜6月生まれ」に偏る傾向があることが証明されています。幼少期の数ヶ月の成長差は大きく、早生まれの子や晩熟型の子が「自分は才能がない」と勘違いし、スポーツを辞めてしまう(ドロップアウト)原因となっています。

マルチスポーツは、競技特性が異なる種目を入れ替わり行います。
「走るのは苦手だけど、投げるのは得意」「サッカーでは補欠だけど、ボルダリングでは輝く」といった機会を増やすことで、どの子にも必ず「自分が主役になれる瞬間」を提供します。
これが、スポーツを一生続けるための強い自己肯定感を育みます。

3. 多様な刺激が脳の「飽き」を防ぐ

同じ動作の繰り返しは、脳内の報酬系を鈍化させ、集中力の低下を招きます。
一方で、マルチスポーツのように種目を変え、常に新しいルールや動きに直面する環境は、脳のドーパミン放出を促します。

「待機」という退屈な時間を取り除き、常に脳と体がフル回転する状態を作ることは、運動神経だけでなく、学習面でも重要な「実行機能(集中力や自己制御)」を鍛えることにつながるのです。

結論:「動き続ける」ことが才能を開花させる

子どもにとって最大の損失は、才能がないことではなく、「動く機会を奪われること」です。

当教室がマルチスポーツを通じて「待機運動」をゼロに近づけるのは、どの子の可能性も取りこぼしたくないからです。
列に並ぶ時間、ベンチで眺める時間を、すべて「挑戦と発見の時間」に変える。
この「全員主役」の環境こそが、将来どんな道を選んでも力強く歩んでいける健やかな体と心を育てる最短距離なのです。

5月から各ラボでバレーボールの種目に切り替わります。
ボールを落とさず仲間に繋げる難しさを感じつつ、各動作を経験していきましょう!

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